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手早いソース作りに合うフライパンの選び方
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- Niva Cook 編集部
手早いソースを作るときのフライパン選びは、「よく焼けるか」だけでは決まりません。肉や魚を焼いた底には、たんぱく質や糖分が色づいてできた香ばしいうま味が残ります。そこへ少量の水、酒、だし、ワインなどを加えて木べらで溶かし、味を整えるのが短時間ソースの基本です。この一連の動作がしやすい形と素材を選ぶと、平日の一皿がぐっと安定します。まずは自宅で何人分を作るか、肉を焼いた後に野菜も加えるかを思い浮かべてください。
最初に確認したい三つの条件
一つ目は底面の広さです。二人分の鶏もも肉や鮭の切り身を重ねずに置ける広さが必要です。食材が重なると温度が下がって水分が出やすく、焼き色の代わりに蒸し煮のような状態になります。ただし、直径が大きすぎるフライパンでは、ソースが薄く広がり、わずかな量でも急に煮詰まります。一、二人分なら直径二十〜二十四センチ、三、四人分なら二十六センチ前後を一つの目安にすると扱いやすいでしょう。表示の直径だけで決めず、実際に平らになっている底の部分も見ます。
二つ目は深さと側面の形です。浅いフライパンは水分を飛ばす速度が速く、肉を返しやすい反面、きのこや葉物を加えるとあふれやすくなります。高さが少しあり、側面がゆるく立ち上がるソテーパンなら、焼く、玉ねぎを炒める、液体を加える、食材を戻す、という流れを一つで行えます。木べらが底の端まで届くか、ソースをスプーンですくいやすいかも大切です。毎日用には、深すぎて蒸気がこもる鍋型より、底が見渡せる中程度の深さが便利です。
三つ目は重さと持ち手です。ソースを皿に回しかけるとき、片手で少し傾けられなければ扱いにくくなります。一方で、軽すぎる薄手の製品は食材を入れた瞬間に温度が落ちやすいことがあります。店頭では持ち手を握り、空の状態で無理なく動かせるか確かめます。両口がある形はソースを注ぎやすく、ふたが合うものは厚い肉を仕上げる際にも役立ちます。
素材は料理と手入れで選ぶ
ステンレスは焼き色が見えやすく、底に残ったうま味を利用するソースと相性のよい素材です。十分に予熱してから油を入れ、食材を動かしすぎないことが使うコツです。フッ素樹脂加工のフライパンは、白身魚や卵のようにくっつきやすい食材を少ない油で焼きやすく、洗い物も軽く済みます。ただし高温の空焼きを避け、金属製のへらで傷を付けない配慮が要ります。鉄は熱を保ちやすく、肉の表面を力強く焼きたい人に向きますが、洗った後に水分を飛ばして油をなじませる習慣が必要です。
素材に優劣はありません。料理後にすぐ洗って乾かせるなら鉄、焼き色とソースの変化を楽しみたいならステンレス、失敗しにくさを優先するならフッ素樹脂加工、というように生活に合わせるのが現実的です。IHなら対応表示と底のゆがみにくさも確認しましょう。手持ちのコンロで安定して置けないフライパンは、性能がよくても出番が減ります。
具体例:鶏肉のレモンしょうゆソース
二人分の鶏もも肉を作るなら、二十四センチ前後で中程度の深さのフライパンが扱いやすい例です。鶏肉の水気を拭き、塩を振ります。中火で皮目から焼き、皮がこんがりしたら返して火を通し、いったん皿へ移します。フライパンに脂が多く残った場合は、香りを残す程度に少しだけ拭き取ります。火を弱めて酒大さじ二、水大さじ二、しょうゆ小さじ二、レモン汁小さじ一を入れ、木べらで底の茶色い部分を丁寧にこそげます。
液体が半量ほどになったら味を見て、必要ならバターを小さじ一だけ加えます。鶏肉を戻してソースをからめ、皿に盛れば完成です。このとき底が広すぎると一分もたたずに濃くなり、狭すぎると肉が重なって焼き色が付きません。普段使う量で一度作ると、自分に必要な底面と深さが具体的に分かります。
よくある失敗と避け方
典型的な失敗は、冷たいフライパンに食材を詰め込み、焼き色が付かないまま調味料を入れることです。先に中火で予熱し、食材の水気を拭き、必要なら二回に分けて焼きます。また、焦げた部分なら何でもソースにしてよいわけではありません。黒く苦い焦げは使わず、フライパンを洗ってから仕切り直してください。液体を入れる際に強火のまま顔を近づけると、蒸気や油が跳ねて危険です。火を少し落とし、液体は手前から静かに加えます。
もう一つの失敗は、しょうゆや塩を最初から多く入れて煮詰めすぎることです。短時間ソースは水分が減るほど味が濃くなるため、最初は控えめにし、最後に調整します。フッ素樹脂加工の表面を金属へらで強くこするのも避けましょう。木べらや耐熱シリコーンのへらなら、底のうま味を取りながら表面を傷付けにくくなります。
まとめ
早いソース作りに向くフライパンは、食材を重ねずに焼ける底面、少量の液体を扱える深さ、そして自分が無理なく手入れできる素材を備えたものです。まずは今あるフライパンで、焼いた後の底を少量の液体でこそげる工程を試してみましょう。その五分間が気持ちよく進むサイズと形こそ、あなたの台所に合う一本です。
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